つぼみ

間も無くランドセルを背負い環境がガラッと変わる生徒の話し。
前回のトレーニングも終盤を迎えた頃、スクールではおなじみ勝ち残りのゲームが続いていた。
チームで勝てばずっと試合ができる。
負ければ休憩となる。
ここでは毎回、負けてしまいピッチを離れる際、がっかりして出る生徒や、悔しさのあまり隅っこで隠れるように泣いている生徒などそれぞれです。
自分たちの番が来るまで待つ事になるのです。
つまり、自分がプレーしていない時間をどう過ごすか?それはとても重要になってくる。

メテオロッサではフットサルをやってみたい、フットサルが上手くなりたい、フットサルでプロを目指したい。
といった生徒が多く、2015年からスタートしたスクールも、今では常陸大宮市だけで無く、他の市区町村からも入会者が増えている。
という事は、1人がプレー出来る時間も限られてくる。その為、プレーしていない時間に何が出来るのか、今後の自分にプラスになる事は何なのか。と、考え研究する事が今後の決め手になってくる。

日頃から生徒たちには「プレーしていない所で何が出来るか考えなさい」と伝えている。それもあり、リーダーシップを取る生徒たちが率先して「次はこうしよう!こうやって点を取りに行こう!」などミーティングしている姿や、プレーしている生徒から何か得ようと研究している生徒たちが多い。

そんな中、この春小学生となる生徒2人。彼等は休憩していた。すると、出番が来るまでの間、ちょっかいを出してみたり、暴言を浴びせてみたりとフットサルとはかけ離れている姿。

得点が決まり休憩していたチームの出番が来ると、一斉に生徒たちが入れ替わる。ピッチへ向かうその時まで言い合いをする2人。足を踏み付けてみたりと、何だか残念な光景だった。

透かさず2人の元へ。

コーチ:「今まで2人は何をやってたの?」
生徒たち:「…」
コーチ:「ずっと見てたけど、ムダな時間を過ごすならプレーしなくて良いぞっ!」
生徒たち:「…」

何も話す事が出来ない2人。
という事で、保護者の方にも了承して頂き、ラストまで2人はプレーする事ができなかった。
終了後、後片付けとなっても2人は輪に入る事が出来ず、同じ場所で「…」の状態。
結果、最後の挨拶でも自分たちで来る事は出来なかった。
挨拶するけどどうする?の声掛けにやっと輪に入る事が出来た。
「ありがとうございました!」と全体挨拶を済ませトレーニングは終了した。
エントランスでは生徒、保護者で何があったのか確認していて、2人は反省し泣いていた。

そして、次のトレーニングの時、切り替えて2人共元気に「お願いしま〜す!」と会場へ入ってきた。

前回ラストの時間トレーニング参加できなかった生徒の1人は、誰よりも早く会場へやって来た。
その生徒は支度が終わると、コーチから「ボール使って遊んでて良いぞー!」の声にボールカゴへ向かうのでは無く、コーチの所へ…。

コーチ:「…どうした?」
生徒:「この前はすみませんでした!」

と言ってきたのです。
正直とても驚いた。
これから小学生になる生徒が、親に言われたのかもしれないが、ボールを蹴る前に、前回終了間際の行いを反省して話しに来るとは…。
モジモジはしていたものの、しっかりコーチへ話している彼を目の当たりにして、フットサルにより心も体も成長出来ている彼等と向き合う事が出来て、とても嬉しく思っている。

2人の生徒は、今回の出来事を含めて、着実にそして一歩一歩大人の階段を歩んでいる。そんな彼等を誇りに思い、今後も全力でサポートして行こうと、改めて感じる事が出来た。
そんな話し。

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